今回は、松下幸之助の名言である
「汗の中から知恵を出せ」
について考えていきたいと思います。
まずは汗を出せ
日々業務に当たる中で、素晴らしい工夫や発見、すなわち「知恵」をいかに生み出していくのか、という観点は事業において非常に重要である。
ただし、現代の知恵者の働き方を見ていると、行動する前に考えようとする傾向が強いように感じる。
「生きた知恵は汗の中から出るもんや」
行動と思考は分けられず、両者が揃って初めて知恵となることを忘れないようにしたい。
ただ、汗しか出せない者はいらない
行動の大切さと言うのは、営業職など現場に近い仕事に就かれている方にはよく理解されている。
一方で、非常に行動量も多く、それに比例した結果を出していたとしても、知恵を出すことがなければ、進歩はない。
毎月KPIを追い続け、自転車操業を感じている状態は、決して健全ではない。
「汗の中から知恵を出せ、それができない者はされ」
厳しい言葉だが、松下氏の重ねた経験からの格言であろう。
行動量を結果に変えることも意義はあるが、その行動から知恵を得ることこそが大切だと感じている。
その知恵とは、より効率的な、または大きな成果をもたらすものと考えて欲しい。
頭の良い人に伝えたい
一見簡単なように思えるかもしれないが、経営者として事業を運営していると、
「汗をかく」
「知恵を出す」
のバランスを取れている方は非常に少なく感じる。
頭が良い人間は、動く前に考えすぎてしまい、物事の推進力にかける。
特にコンサル出身の人材は、考えを進めることにはたけているが、事業を進めることにたけていないというパターンが多い。
そのような場合には、
「考えれるところまで考えたら行動する」
ことを意識したい。
もちろん思考の正確さや深さは重要になるものの、行動に移すときのバランス感覚、
「考えを進めるべきか」
「行動により世の中からフィードバックをもらうべきか」
を見極める力が重要だと捉えている。
前提になるのは、自分の考えは間違っていることが多い、という認識を持つことである。
「絶対に想定外のことが起きる、まずはここまで進める」
と考えながら進めるようにしている。
ゴチャゴチャ言わず実践を重ねればできるようになる。
あなたは頭が良い。すぐに学ぶことができる。
動き回れる人に伝えたい
逆に、積極的に動けるものは、つい考えることがおろそかになる場合が多い。
このタイプは見ていて気持ちが良いし、応援したくなる。
ただ、知恵を出せない場合は、歯車に過ぎない。
会社のためにも、本人のためにも、知恵を出せるように育てる必要がある。
「行動は、知恵を出すためにある。」
という考え方を意識していきたい。
当然足元の成果も重要だが、これぐらい極端に頭に入れて欲しい。
まずは「考える時間」を作り、どうすればより良い成果が得られるか、を考えてみよう。
紙に書くこと、考える目的からスタートすることをオススメしたい。
考え慣れるまでは、思考がループする、煮詰まって進まないことが多い。
紙に書けば、その行き詰まりに気づくことができる。
目的については、
「アポの取得率をあげるには」
「提案資料の作成時間を減らすには」
「受注単価を上げるには」
といったテーマを設定し、
そのために必要な工夫や活動を考えてみよう。
最初は、どう考えればいいかわからないかもしれないが、考えるたびに上手くなる。
思考と行動のバランスを取ることは非常に難しい。
私自身も、社員の努力を預かる立場として、このバランス感には常に気を配っていきたい。
「汗の中から知恵を出せ」
偉大な先人の言葉だからこそ、簡単に理解はできないが、少しずつ自分のものにしていきたい。
本日は以上です。